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日高 昭秀; 柴崎 博晶*; 吉野 丈人*; 杉本 純
Journal of Aerosol Science, 31(9), p.1045 - 1059, 2000/09
被引用回数:1 パーセンタイル:18.21(Engineering, Chemical)シビアアクシデント時の曲管及び鉛直管内におけるCsIエアロゾル挙動を調べるため、原研では直角の曲部を持つ可視化用石英管を用いてWAVE実験を行った。また、曲管の下流側を水平、鉛直上向き、下向きに変えて、配管の方向がエアロゾル挙動に及ぼす影響を調べた。その結果、上向き鉛直管への沈着量は下向き鉛直管のそれに比べて10倍以上となった。解析では、エアロゾルの主要な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動であるため、原研の3次元熱流動解析コードWINDFLOWの結果をエアロゾル挙動解析コードART計算に反映させることにより、沈着現象をほぼ再現できることを示した。ただし、上向き鉛直管については、低温の内壁に沿って主流と逆向きの自然対流が発生するため、その影響を考慮して熱泳動モデルの主要なパラメータである熱拡散境界層厚さ及びヌッセルト数を再評価する必要性を明らかにした。
日高 昭秀; 柴崎 博晶*; 丸山 結; 吉野 丈人*; 杉本 純
NEA/CSNI/R(98)4, 14 Pages, 2000/02
シビアアクシデント時の層流条件下の曲管内におけるCsIエアロゾル挙動を調べるため、原研では直角の曲部を持つ可視化用石英管を用いてWAVE実験を行った。また、曲管の方向がエアロゾル挙動に及ぼす影響を調べるため、下流側が水平、鉛直上向き、下向きの3ケースについて実験を行い、それらを原研の3次元熱流動解析コードWINDFLOW及びエアロゾル挙動解析コードARTを用いて解析した。その結果、エアロゾルの主要な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動であるため、WINDFLOWによって計算された曲管部の詳細な熱流動をART計算に反映させることにより、曲管付近の沈着現象を適切に再現できた。しかしながら、鉛直曲管については、低温の内壁に沿って下降流が発生するため、その影響を考慮して熱泳動モデルの主要なパラメータである熱拡散境界層厚さ及びヌッセルト数を再評価する必要を明らかにした。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 吉野 丈人*; 杉本 純
Journal of Nuclear Materials, 248, p.226 - 232, 1997/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.47(Materials Science, Multidisciplinary)シビアアクシデント時の原子炉冷却系及び格納容器内のヨウ素挙動を予測するため、原研ではリスク評価用ソースターム解析コードTHALES-2の1モジュールであるARTコードの開発を行っている。同コードのヨウ素挙動モデルの検証の一環として、配管内CsI挙動に関して原研のWAVE実験解析、及びヨウ素化学に関してACE/RTF 3B実験解析を実施した。その結果、ヨウ素の配管内挙動を精度良く評価するためには、CsIの主な沈着機構はガスの温度勾配に依存する凝縮または熱泳動であることから、熱水力とCsIガス/エアロゾル挙動解析を密接に接合する必要があること、キャリアガスとして水蒸気を注入した場合には窒素の場合と比べてCsIエアロゾルの粒径は成長するが、既存の解析モデルでは適切に予測できないこと、またpH変化に伴うプール水中のヨウ素濃度の変化は、簡易は加水分解モデルを用いて適切に再現されることを明らかにした。
橋本 和一郎; 日高 昭秀; 五十嵐 実*; 杉本 純
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(10), p.804 - 806, 1996/10
被引用回数:4 パーセンタイル:39.43(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント時における原子炉冷却系配管内のCsIエアロゾル挙動を把握するため、WAVE実験を実施している。今回の実験は過熱蒸気が沈着挙動に及ぼす影響を調べるために、キャリアガスとして窒素と過熱蒸気を使用して実施した。実験結果から配管下流側の沈着量を比べると、窒素中では自然対流の影響により床よりも天井の方が多くなったが、過熱蒸気中では逆に天井より床への沈着量が多くなった。粒径計測では過熱蒸気中の方が窒素中よりも質量中央径が大きくなっており、この影響で重力沈降による床への沈着が多くなったと考えられる。これは既存のエアロゾル成長モデルでは説明出来ない現象である。エアロゾル粒径分布はエアロゾル挙動に多大な影響を及ぼすため、今後は過熱蒸気中のエアロゾル成長機構を解明する必要がある。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 吉野 丈人*; 杉本 純
PSI Report Nr. 97-02, p.531 - 544, 1996/06
シビアアクシデント時の原子炉冷却系内におけるCsIの沈着挙動を調べるために、小規模配管を用いたWAVE実験を実施し、結果を3次元熱流動解析コードSPRAC及びFPエアロゾル挙動解析コードARTを用いて解析した。実験では、PWRホットレグ入口を模擬した配管内でCsIエアロゾルを発生させ、キャリアガスとして窒素と水蒸気を注入した。その結果、キャリアガスの種類によってエアロゾルの粒径が異なり、その結果沈着分布に差が生じた。窒素雰囲気下のCsIエアロゾルの挙動は、主要な沈着機構がガスの温度勾配に依存する熱泳動でることから、熱流動とエアロゾル挙動解析を密接に結合させることによりARTは実験結果を適切に再現した。一方、水蒸気雰囲気下のCsIエアロゾル挙動を模擬するためには、既存の解析モデルの予測よりも大きなエアロゾル粒径を仮定する必要があった。水蒸気雰囲気下のエアロゾル成長機構を解明する必要がある。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 佐藤 治志; 吉野 丈人*; 杉本 純
Heat and Mass Transfer in Severe Nuclear Reactor Accidents, 0, p.577 - 587, 1996/00
シビアアクシデント時の原子炉冷却系内におけるCsIの沈着挙動を調べるために、小規模配管を用いたWAVE実験を実施し、結果を3次元熱流動解析コードSPRAC及びFPエアロゾル挙動解析コードARTを用いて解析した。実験では、配管内沈着量分布に強い非等方性が見られた。ARTによる解析では、配管軸方向に加えて配管断面を5つに細分割し、SPRACで計算された詳細な熱流動条件をそれらに与えることにより実験結果を適切に再現した。CsIの主な沈着機構は熱泳動または凝縮であることから、配管内のCsIの挙動を精度良く予測するためには、配管内の平均的な熱流動条件を用いる従来の手法では不十分で、配管断面内の3次元的な熱流動条件も考慮する必要があることを明らかにした。また、局所的なFPが沈着すると崩壊熱により再蒸発量が増大することから、ソースターム計算においても配管内の詳細な熱流動を考慮する必要性を指摘した。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 吉野 丈人*; 杉本 純
UTNL-R-0337, 0, p.35 - 46, 1996/00
シビアアクシデント条件下の原子炉冷却系及び格納容器内におけるヨウ素挙動を調べるため、原研ではリスク評価用ソースターム解析コードTHALES-2の1モジュールであるARTコードの開発を行っている。同コードのヨウ素挙動モデルの検証の一環として、配管内CsI挙動に関して、原研の小規模配管を用いたWAVE実験解析、及び最近組み込んだヨウ素化学に関する簡易モデルを検証するため、ACE/RTF3B実験解析を実施した。その結果、ARTコードはそれぞれの実験に対して適切な解析能力を有することを確認した。さらに、CsIの主な沈着機構は凝縮または熱泳動であることから、沈着挙動を精度良く評価するためには熱水力とCsIガス/エアロゾル挙動解析を密接に結合する必要があること、またpH変化に伴うプール水中のヨウ素濃度の変化は、簡易な加水分解モデルを用いて適切に再現されることを明らかにした。
日高 昭秀; 橋本 和一郎; 杉本 純; 吉野 丈人*
Validation of Systems Transients Analysis Codes (FED-Vol. 223), 0, p.99 - 106, 1995/00
シビアアクシデント条件下の原子炉冷却系及び格納容器内におけるFPエアロゾルの挙動を調べるため、原研ではリスク評価用ソースターム解析コードTHALES-2のモジュールとしてART Mod2コードの開発を行っている。同コードの解析モデルの検証の一環として、配管内のFP沈着・移行挙動に関して原研の小規模配管を用いたWAVE実験及びCSNIの国際標準問題(ISP-34)として採用されたFALCON実験の解析を行った。また最近組み込んだ放射線分解、加水分解に関するヨウ素化学モデルを検証するため、ACE/RTF3B実験解析を実施した。その結果、ARTコードはそれぞれの実験に対して適切な解析能力を有すること、ソースタームを精度良く評価するためには、熱水力解析とFP挙動解析を密接に結合するとともに、化学反応を考慮しFPの化学形を適切に同定する必要があることを明らかにした。